リテーナーとは、矯正後の後戻りを防止するための装置で、日本語では「保定装置（ほていそうち）」といいます。

歯列矯正に関心のある方なら「保定処置」「保定期間」という言葉はご存知ですよね。その“保定”を行うための装置がリテーナーなのです。

リテーナーにはいろいろな形のものがありますが、使用する目的はどれも同じです。マルチブラケット装置やマウスピース型矯正装置できれいに並べた歯をその位置で固定するために装着します。

ですから、リテーナーの形は保定期間中に大きく変わることはありません。動的治療が終わった理想的な歯列弓を保存するために用いるのですから、形が変わっても困りますよね。

リテーナーは、保定期間が終了するまで装着を続けます。リテーナーは、歯を動かす動的治療が終わったタイミングで装着を開始します。

インビザラインであれば、予定していたすべてのマウスピースを使い切った段階で保定期間へと移行し、リテーナーの装着を始めます。

ワイヤー矯正の場合は、上下の歯並びがきれいになり、噛み合わせまでしっかり調整が済んだ時点ですね。

▼リテーナーはいつまで装着するもの？

それがどれくらいの期間になるかはケースバイケースといえるでしょう。例えば、歯を動かすのに2年かかった場合は、リテーナーも2年程度、装着し続けます。ただし、それはあくまで最低限の保定期間であり、2年経過したらリテーナーの装着をやめなければならないというものでもないのです。

後戻りを徹底したい場合は、リテーナーの装着を3年、4年と継続して構いません。リテーナーの装着期間が長くなるほど、後戻りのリスクは減少していきます。

▼リテーナーの使用時間はどのくらい？

リテーナーの使用時間は、装置の種類と歯並びの状態によって変わります。まず、リテーナーには固定式のものと着脱式のものとがあり、前者は24時間使用することになります。これは歯列に固定するマルチブラケット装置と同じですね。

着脱式のリテーナーは、インビザラインのマウスピースのようにほぼ1日中使用する場合もあれば、眠っている時だけ装着するものもあります。この点に関しては、実際に治療計画を立ててみなければはっきりしません。

リテーナーの使用時間や期間について知ると、保定処置に不安を感じてしまう方もいらっしゃいますよね。2年頑張って歯を動かしたのに、さらに2年装置を着けなければならないとなると、気持ちも重くなります。

ただ、その点はあまり悲観しなくても大丈夫ですよ。リテーナーというのは、動的治療に用いるほど複雑な装置ではありませんし、心身にかかる負担も比較的軽くなっています。

動的治療を乗り越えられた人なら、保定処置も頑張れるはずです。

今回は、歯の後戻りを防止するためのリテーナーについて、東松原さかい歯科・矯正歯科が解説しました。

その他にもリテーナーについて知りたいことがあれば、いつでもお気軽に当院までお尋ねください。