歯列矯正は、マルチブラケット装置やマウスピース型矯正装置で歯を動かす「動的治療（どうてきちりょう）」と動かした歯を固定して後戻りを防止する「静的治療（せいてきちりょう）」の2つに大きく分けられ、後者が保定に当たります。

保定はリテーナーと呼ばれる専用の装置を使って行われるもので、すべてのケースで必要となります。

歯列矯正の治療期間は、歯並びの重症度によって大きく変わります。

歯並びの乱れが小さい場合は、1～2年の動的治療と1～2年の保定処置で治療を終えることができます。合計すると2～4年程度ですね。中等度の症例では、2～3年の動的治療と2～3年の保定処置が必要となり、合計では4～6年程度の期間を要します。重度の症例に関しては、実際に検査を行ってみなければ評価することが難しいです。

◎矯正装置によって治療期間は変わる？

歯列矯正では、ワイヤー矯正とマウスピース矯正のどちらかを選択することになります。適応症が広く、強い力で歯を動かすワイヤー矯正は、マウスピース矯正よりも短い期間で治療を終えられそうなものですが、実際はそんなことはありません。

まったく同じ症状のケースなら、ワイヤー矯正とマウスピース矯正どちらを選択しても、矯正にかかる期間に大きな差は生じないのです。それは保定期間を含めた場合も同様です。

◎歯科医院に通う頻度はどのくらい？

保定まで含めると、軽度から中等度の症例でも4～6年程度の期間を要する歯列矯正は、どのくらいの頻度で通院しなければならないのかも気になりますよね。

例えば、一般の歯科治療のように1～2週間に1回の頻度で4～6年通い続けなければならないのなら、多くの人は歯列矯正を諦めることでしょう。

◎動的治療の通院頻度

歯を動かす治療は、1ヵ月に1回くらいの頻度で通院するのが一般的です。1ヵ月に1回、矯正用ワイヤーを調整し、治療の経過を見ることで、矯正を適切に進めていくことが可能となります。歯の移動速度はとても遅いので、それ以上、頻繁に通院してもあまり意味がありません。

昨今、注目を集めているマウスピース矯正「インビザライン」は、治療をスタートする段階ですべてのマウスピースが完成していることもあり、2ヵ月に1回の通院で十分となっています。

◎保定期間の通院頻度

保定期間の通院頻度はかなり低いです。始めのうちは3ヵ月に1回の頻度で通い、経過が良ければ6ヵ月に1回の通院へと間隔を広げていきます。

保定期間は動的治療と同程度の期間を要しますが、通院する頻度は極端に低くなるため、心身にかかる負担も大きく減少します。

今回は、保定期間も含めた歯列矯正の治療期間について、東松原さかい歯科・矯正歯科が解説しました。

保定期間も含めると、歯列矯正には4～6年程度の期間を要するのが一般的です。

ご自身のケースの治療期間が気になる方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。まずはカウンセリングを行います。