部分矯正は、次に挙げるような症例に向いているといえます。

◎歯並びの乱れが前歯のみに認められる症例

悪い歯並びには、出っ歯・受け口・乱ぐい歯・開咬・すきっ歯など、いろいろな種類があり、その原因も歯列全体にあるケースが非常に多くなっています。

例えば、出っ歯は前歯のみに異常があるように思われがちですが、実際は奥歯の位置関係なども深く関係しているものなのです。

そんな中でも歯並びの乱れの原因が前歯のみ限られている症例は、部分矯正に向いているといえます。前歯のみを集中的に治せば良いので、短期間で治療も完了します。

 ◎歯並びの乱れが小さい症例

1本1本の歯が別々の方向を向いている乱ぐい歯は、症状が重たい場合は全体矯正でなければ改善が難しいです。比較的症状の軽い乱ぐい歯なら、部分矯正でも改善することが可能です。

◎矯正後に後戻りが生じた症例

過去に受けた矯正治療で、後戻りが生じた場合は、部分矯正で元に戻せることがあります。

後戻りといっても、歯並びが急激に悪くなっていくわけではないので、早期に再治療することで美しい歯並びを取り戻すことができます。その際、部分矯正は極めて有用な治療法となることでしょう。

部分矯正には、次に挙げるようなメリットとデメリットがあります。

【部分矯正のメリット】

◎治療期間が短い

部分矯正にかかる期間は、3～12ヵ月程度です。歯並びの症状が軽ければ軽いほど、矯正にかかる期間も短くなります。歯列矯正を検討中で数年に及ぶ治療期間がネックとなっている場合は、部分矯正を選択することで不安要素を取り除けます。

◎治療費が安い

当然ですが部分矯正は全体矯正よりも費用が安くなります。歯並びの状態や選択した矯正法によっても費用は大きく変わりますが、一般的には200,000～500,000円程度で受けられます。

◎日常生活への影響を最小限に抑えられる

部分矯正で使用する装置は、全体矯正と同じです。マルチブラケット装置やマウスピース型矯正装置を使って歯を動かします。ただ、装置を使っている期間が極端に短くなることから、仕事や勉強への影響を最小限に抑えられます。

【部分矯正のデメリット】

◎噛み合わせの改善は難しい

前歯のみの部分矯正は、前歯の部分しか歯を動かしません。奥歯は現状のままとなるため、上下の噛み合わせを改善することは難しいです。

◎仕上がりは全体矯正に劣る

部分矯正で前歯のみを治療した場合と、全体矯正ですべての歯を治療した場合を比較すると、間違いなく後者の方が良い仕上がりとなります。ですから、仕上がりの良さを追求したいのであれば、全体矯正を選択した方が良いと言えます。

今回は、前歯のみの部分矯正の適応症やメリット・デメリットについて、東松原さかい歯科・矯正歯科が解説しました。

部分矯正なら前歯のみを短期間かつ安価に治すことができますが、いくつかのデメリットを伴うことも理解しておかなければなりません。そんな前歯のみの部分矯正に関心のある方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。