すべての歯が治療対象となる全体矯正は、「インビザライン・コンプリヘンシブ」が適応されます。マウスピースの使用枚数は無制限なので、いろいろな症例に対応できると同時に、歯並びの美しさを追求しやすいことがメリットです。

そんなインビザラインの全体矯正は、2～3年の治療期間を要するのが一般的です。歯並びの乱れが比較的軽度であれば、1～2年で治療が完了します。

インビザラインは部分矯正にも対応しています。

前歯の軽度な歯並びを改善するのに適しているのは「インビザラインGO」です。前歯部だけの矯正となることから、治療に要する期間は3～12ヶ月程度です。前歯部に限らず、歯列のどこか一部分だけを少し矯正するのであれば、「インビザライン・エクスプレスパッケージ」や「インビザライン・ライトパッケージ」などがおすすめです。

これらは使用するマウスピースが7～14枚と極めて少なく、治療に要する期間も短くなっています。具体的には、3～6ヶ月で矯正が完了します。

当院では、インビザラインによる矯正効果を高めるために「オーソパルス」と呼ばれる特殊な装置を活用しています。
これはマウスピースのような形をした装置で、患者様ご自身で装着していただきます。装置からは「近赤外線」が照射され、歯を支えている組織・細胞を活性化させることが可能です。

“近赤外線を照射する”と聞くと、少し不安に感じてしまう方もいらっしゃるかと思いますが、その点はご安心ください。近赤外線は昔から医科の治療でも用いられているものであり、その安全性は保証されています。治療効果についても立証済みです。

オーソパルスの使い方はとても簡単です。マウスピース型の装置を「1日10分前後装着」するだけです。

歯周組織に照射された近赤外線は、細胞を活性化させて歯の移動を促進します。その結果、治療期間が短縮されるのです。これを専門的には「フォトバイオモジュレーション」といいます。

オーソパルスによって短縮される治療期間には個人差があります。

施術の効果が大きく現れたケースでは、マウスピースの交換頻度が2週間から3日へと短縮されることがあります。これは患者様にとってかなりの負担軽減につながることでしょう。もちろん、これはあくまで一例なので参考程度にとどめておいてください。

インビザラインでは、「アタッチメント」と呼ばれるパーツを使用することがあります。

歯の表面にレジン製の小さな突起を設置する処置法で、歯の移動速度を促進することが可能です。マウスピースが浮いたり、ずれたりするのを防ぐ場合にも活用されます。

このように、インビザラインの治療期間は、選択したシステムや歯並びの状態によって大きく変わります。
上述したような加速装置を使って治療期間を短縮することも可能ですので、気になる方は当院ご相談ください。