矯正後の後戻りは、次に挙げるような原因で起こります。

◎不十分な保定処置

矯正後の後戻りは、保定処置を十分に行わないことで起こります。

例えば、歯を動かすのに1年半かかったケースでは、保定にも同じ期間かかることになりますが、それを半年から1年程度で終えてしまうと後戻りのリスクが生じます。

保定装置の装着時間を守らなかったり、そもそも保定を行わなかったりした場合も当然ですが後戻りが生じます。

歯列矯正は歯を動かす「動的治療（どうてきちりょう）」と後戻りを防止する「保定処置」がセットになっていることを忘れてはいけません。

 ◎歯ぎしりなど口腔癖がある

 歯ぎしりや食いしばりなどが習慣化していると、歯に過剰な負担がかかって後戻りを促します。

爪を噛む癖や舌を前に突き出す癖、片側だけで噛む癖なども矯正後の後戻りを促進するため、十分な注意が必要です。

◎矯正治療が適切ではなかった

 歯列矯正は、とにかく歯をきれいに並べれば良いというものではありません。顎の骨の大きさや噛み合わせなども考慮しながら、お口全体のバランスを整えつつ、歯を動かしていかなければなりません。

スペースが大きく不足している場合は、複数の歯を抜かなければならないこともあるでしょう。それにもかかわらず、非抜歯にこだわりすぎたり、見た目を良くすることにとらわれすぎたりすると、後戻りしやすい不安定な仕上がりとなってしまうのです。

矯正後の後戻りを防ぎたい人は、以下のポイントに着目してください。

①保定処置はしっかりやり遂げる

矯正後の後戻りを防止する上で最も重要なポイントは、保定処置の徹底です。歯科医師の指示通りの保定装置を装着し、決められた期間継続しましょう。

保定の経過を観察するためにも定期的な通院は不可欠です。そうして保定をしっかりやり遂げることで、矯正後の後戻りのリスクを軽減できます。

②悪習癖は早めに改善する

矯正後の後戻りを誘発するような悪習癖は、できるだけ早めに改善しておくことが望ましいです。

可能であれば矯正を始める前、遅くても矯正中には改善しましょう。

③知識や経験の豊富な歯医者を探す

これは後戻りに限ったことではなく、歯を動かす動的治療にもいえることですが、歯列矯正を任せる歯科医師は慎重に選ぶことが大切です。

矯正に関する知識や実績が豊富で、技術力も高い歯医者さんに治療を任せることで、後戻りのリスクも大きく減少します。

他院で受けた矯正で後戻りが生じてしまった場合は、当院までご相談ください。

後戻りしてしまった歯並びは、再治療で改善する必要があります。当院はそんな後戻りの再治療にも対応している、矯正の実績豊富な歯医者さんです。

今回は、矯正後に後戻りしてしまう原因と対処法について、東松原さかい歯科・矯正歯科が解説しました。

頑張って手に入れた美しい歯並びは、後戻りという形で失うことも珍しくありません。

とくに保定処置を怠ると、ほぼ100％後戻りが生じるため、リテーナーの装着時間や装着期間は厳守するようにしましょう。